運命の人と出会う確率を最大にする

<選べるのは修行期間の長さ s>

n=4ではs=1, n=5ではs=2とすると最も成功する確率が高いことが分かりました。
これを一般のNに拡張したいのですが、何々の確率、何々の数を考えるのは疲れます。 手っ取り早いのは出会うn人(の価値)を乱数で決めるいわゆるMonte-Carloシミュレーションです。 N=4でテストしたら結構いい値が得られました。

<N=4についてのMonte-Carloシミュレーション>

N=4のシミュレーション

各 s について2000個の順列を生成

<一般のNとsについて数え上げる>

まず0<s<n から。Bとkを固定して考えます。 $B$より小さい$(B-1)$個の数から$(k-2)$個を取ってB-1Pk-2通りの並びを作ります。 Bそのものはsより前に置くので並びの数B-1Pk-2通りになります。 kから後ろには(n-k)!通りの並びができます。両者の並びの数の積がとりあえずの答えになります。
次に可能なBとkに場合の数を足し合わせれば右式が得られます。s=0,n についても示します。
ゲットできる確率 P=W/n! をシミュレーションと公式で計算しましたので下で示します。

<W(s;n) の計算式>

Wの計算式

<N=5, 10, 20 についての計算結果>

Wの計算結果

<まとめ>

出会える異性の数がn=10人であれば、恋愛だけのおつきあいをs=3か4人とするのが最適であるといえます。
しかし、これはあくまでも統計的視点です。個々の試行(出会い履歴)についてはゆらぎがあるので作戦が成功することを保証するものではありません。

<モデルについての批判>

ここまで読んでこられたみなさんは、釈然としないものをお感じだと思います。批判したくなるかもしれません。 そこを議論しあば教育的価値は大きいと思います。著者のねらいもそこにあったのではないかと思います。 それにしても、やはり自然科学のモデル化のほうがすっきりしてて、精神衛生にいいですね(笑)

5-25-2019, S. Hayashi