ピラテス・スタジオで隣り合わせになる確率

(1) 「隣り」を調べる

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問題の意味

あるスポーツクラブのスタジオは、図に示すように黒1〜黒35のラベルが床に貼ってある。レッスン参加者は、空いている番号から一つを選択して 登録することになっている。ある時インストラクターがこう言った。 「場所をランダムに変えてみると目線の方向が変わって気分がリフレッシュされますよ。」

全員が賛同してランダムに場所を変わることにしたのであれば、特定の個人についてもいえるであろう。 そこで次の問題を考えよう。

「特定の参加者A,Bがレッスンのたびにランダムに場所を変わる。二人が隣りあわせになる確率を求めよ。」

ここで隣り合わせの意味を定義しておく。図の真横、上下、斜めの相互位置を隣り合わせと呼ぶことにする。間に第三者が割り込まない相互位置である。

ピラテス・スタジオの座席配置図

(ix,iy)の整数座標系で考えると、ix+iyが奇数のところに○がくる。 ただし●は、インストラクターの場所、柱がある、等の理由で除外する。

解法 (1)

Aが任意の位置 m についたるとする(m=1,...,N; N=35)。そこに配置される確率は p1=1/N であり、m によらない。次にBがm点の隣りにくる事象を考えると、Bの位置(隣接番号) pos2D[m,k] (k=0,..,Nv[m]) と個数 Nv[m] で状況が記述できる。

さてBが隣りにくる確率は、(N-1)個のスペースから Nv[m]個の隣接位置を選ぶ一種の条件付き確率 p2=Nv[m]/(N-1) である。よって求める確率 P は
   P=Σmp1p2m Nv[m]/N(N-1)   によって得られる。

隣接番号と隣接数

上図の座標 0,1,2,... を用いてAB間の間隔の二乗和 d2 を計算する。d2<=4 であれば隣り合わせであるから pos2D[m,k] と Nv[m] が得られる。 右図は Nv[m] の一覧である。

Σm Nv[m]=206 であるから  P=0.173  となる。

隣接数 Nv の一覧

<Nv の値と色との対応>

    【3】,  【4】,   【5】,  【6】,   【7】,  【8】

4-19-2023, S. Hayashi