太陽の動きの「見える化」(その2)

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<太陽はどこに見える?>

或る経緯度の地点で日中或る時刻に太陽がどこに見えるかを、東西方向の偏角ψと上下方向の仰角φで表現できます。

  1. ψとφを2次元直交座標系で表す(右図(a))。この曲線は目に見える軌道とは異なる。特に 太陽が天頂近くを通過する時の曲線は複雑である (例えば「太陽はどこに見える?」で5コマ目の赤道から見える軌跡)。
  2. ψとφに一定値の半径rを加えて球面座標系で軌跡を作る。つまり巨大な半球ドームの原点に立って太陽を追跡する。しかし、画面・紙面の上で表現することはできないから観測者の位置をドームの外に移してドーム全体を眺める。こうして図(b)の鳥瞰図が得られる。


太陽の位置の表し方。(a)太陽の偏角ψと仰角φを直交座標系で、(b) 半球形ドーム面上の点の動きを鳥瞰図で。

<3次元軌跡の正射影を取る>

両方の図の利点を生かすために 上図(b)の3次元曲線を地平面に対して射影してみます。右図(a)に即していえば、3次元曲線上の任意の点Bを射影して得られる点Pの軌跡が右図(b)の太線です。

同心円の半径はcosφで、φの範囲は一番外側がφ=0°、一番内側がφ=90°で刻みは10°です。 日の出(φ=0°)で軌跡は天空に向かって垂直に延びているので同心円の密度が高くなります。

 

(a) 球面上の点を平面に射影、(b) 射影データ

<偏心球を介した射影>

上の三種類の図はどれも太陽の動きーやや北よりの東から上りはじめ、70°にまで達し、やや北よりの西に沈むーを表現しています。ただ、三つ目の射影法では刻み目が不均一(中心部で疎、外縁部で密)なのがイマイチという感じを受けます。

同心円密度を一様にするには、日の出(φ=0°)で軌跡が斜めに延びればよいと予想できます。そこで 右図(a)のように原点Oから離れたところに球の中心O'を移動させ、半径Rもそれに合わせます(上図はR=1に相当します)。

球の半径がR=1.1の時の軌跡が図(b)です。 一方、R=2 では逆に外縁部で疎になります。

結局、最適値はR=1.1近辺にあることがいえます。ここでは有効数字2桁のRで満足しましょう。

 

 

(a) 偏心球面上の点を平面に射影、(b) 射影データ
<製図法の発想で鳥瞰図を処理する>

鳥瞰図を見れば、太陽が東から上り、頭の上を通過し、そして西に沈むという一日の動きが直感的に理解できます。しかし視線方向によって見える画像が異なるという欠点があります。

そこで正射影を2種類用いる、いわゆる 製図法を採用しましょう。上面からの正射影(b1)と正面からの正射影(b2)とを用いて3次元画像を再現するのです(右図)。青い線は東西の方角から北に振れていることを意味します。

図(a)と図(b)は同一の(ψ,φ)データに基づいているので、どちらを用いても同じ情報が得られますが、どちらが分かりやすいか・使いやすいかは人それぞれでしょう。

(a) 鳥瞰図、(b1) 上面図、(b2) 正面図。

6-15-2026, S. Hayashi